全体朝礼より

平成29年8月の講話

更新日:2017/08/07 19:07 カテゴリー: 朝礼

院長のテーマは「マンネリ化を排す」でした。

人生の最後にかかわる

 先日、日野原重明先生が105歳でお亡くなりになった際、先生のご功績や生き方を文書にして皆さんにお配りしようと思いましたが、A4用紙一枚には収めきれなくて、結局名言集という形で配布させていただきました。ちょうどその頃新聞に「老衰死」増10年で3倍という記事が出ていました。
 「その原因は、高齢者の増加が要因とされるが、背景には死因究明より、人生の最後を重視することで死を受け入れようとする本人や家族、医師の価値観の変化もあるようです。
在宅医療の普及で人々の意識は、死の原因ではなく、最後に至るまでの過程を重視する方向に変わってきたといいます。ドクターサイドから見れば、「老衰」と診断することに、診断を積極的に行わないことへの葛藤や病気の見逃しにつながるのではないかとの不安もあるようですが、本人、家族と医師との間で合意があり、穏やかになくなるケースは増えているのです。」とありました。
 日野原先生は「いのち」とは、自分が自分の意図で活用できる「時間」であるという人生哲学をお持ちでしたが、まさにそういう生き方をされ理想的な死をお迎えになったと思います。
 当院の第一の目的は、病気を治し在宅復帰をしていただくための医療・看護の提供です。しかし一方では終末期を迎えた患者さんの看取りも重要な役割となっています。そしてその中には認知症を発症し自分の意図が表現できなくなっている患者さんも多数いらっしゃいます。そういう患者さんをどう看ていくかということも今後の大きな課題となっています。
 私の知人の中にもご家族を当院で看取らせて頂いた方もいらっしゃいますが、みなさん西病院でお世話になってよかったと言ってくださっています。
私たちの方向性は間違っていないと思いますが、さらに人生の最期をどう生きていただくかを考えて笑顔と医療・看護を提供していただきたいと思います。